住民への周知じゅうみんへのしゅうち
工事主が、宅地造成等に関する工事の許可の申請をするときに、あらかじめ、工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の工事の内容を周知させるため必要な措置を講ずることです(11条)。つまり、盛土や切土の工事を始める前に、近くに住む人たちに計画を知らせておく手続です。
家の裏の山で、ある日突然ダンプカーが土を運び込み始めたら、ふもとに住む人は不安になります。どのくらいの高さまで土を盛るのか、雨が降ったら崩れないのか、誰が工事をしているのか。盛土規制法は、工事主が許可の申請をする前に、周りの住民に工事の内容を知らせることを義務づけています。令和3年に静岡県熱海市で盛土が崩れて大きな被害が出たことを受けて、令和5年5月に施行された改正で設けられた手続です。

周知をするのは工事主で、許可の申請の前に行います
11条は、工事主は、許可の申請をするときは、あらかじめ、周辺地域の住民に対し、工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならないと定めています。工事主とは、工事の請負契約の注文者、又は請負契約によらないで自ら工事をする者のことです。現場で作業をする工事施行者ではなく、工事を計画して注文する側が知らせます。時期は「あらかじめ」、つまり申請の前です。条文に理由は書いていませんが、住民が計画を知らないまま許可が出て工事が始まることを防ぐためと考えられます。

方法は、説明会、書面の配布、掲示とインターネットから選びます
周知の方法は、主務省令が定めています。工事の内容についての説明会を開催すること、工事の内容を記載した書面を周辺地域の住民に配布すること、工事の内容を現地やその周辺の適当な場所に掲示するとともにインターネットを利用して住民の閲覧に供すること、そのほか都道府県の条例又は規則で定める方法のいずれかです。条文が説明会を例に挙げているだけで、必ず説明会を開かなければならないわけではありません。ただし、渓流のある土地などで高さが15メートルを超える盛土をする場合や、都道府県の条例又は規則で定める場合は、説明会の開催によらなければなりません。

特定盛土等規制区域の許可の申請でも、同じ周知が要ります
29条は、特定盛土等規制区域内で行われる特定盛土等又は土石の堆積に関する工事の許可の申請についても、同じ周知を求めています。対象は、許可が要る政令で定める規模の工事です。どちらの区域でも、周知は許可の申請とひと続きの手続として定められていて、届出で足りる工事については定めがありません。許可の申請書には、周知の措置を講じたことを証する書類を添えます。
宅地造成及び特定盛土等規制法 11条工事主は、次条第一項の許可の申請をするときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、宅地造成等に関する工事の施行に係る土地の周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の当該宅地造成等に関する工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。
試験ではこう問われる
- 工事主は、宅地造成等に関する工事の許可の申請をするときは、あらかじめ、周辺地域の住民に対し、説明会の開催その他の工事の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない(11条)
- 周知の時期は許可の申請の前。「工事着手後2週間以内に周知の措置を講じなければならない」は誤り
- 特定盛土等規制区域内の特定盛土等又は土石の堆積に関する工事(許可が要る政令で定める規模のもの)の許可の申請でも、あらかじめ周知の措置を講じなければならない(29条)
- 周知の方法は、説明会の開催、書面の配布、掲示とインターネットによる閲覧などのいずれか(施行規則6条・62条)
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