鉄骨造てっこつぞう
柱やはりなどの骨組みを鋼材で造る構造です。鋼材は強度が高く粘りがあるため、比較的小さな断面の部材で大きな空間や高い建物を造れますが、熱に弱くさびやすいので耐火と防錆の処理が要ります。
体育館の天井を見上げると、鉄の部材を三角形に組んだ骨組みが、柱のない広い空間を支えています。駅前の高層ビルも、建設中は鉄の柱とはりだけの姿をしています。どちらも鉄骨造です。使われる鋼材は、鉄に炭素などを含む材料で、木材やコンクリートより密度が大きいものの、強度が高いので小さな断面の部材で済み、鉄筋コンクリート造に比べて建物の自重は小さくなります。工場、体育館、倉庫から、住宅、店舗、高層建築まで幅広く使われています。

鋼は、炭素が多いほど硬く、強度が大きくなります
鋼は鉄や炭素などの成分を含んでいます。一般に、炭素の量が多いものほど硬く、強度が大きくなります。鉄筋コンクリートに使う鉄筋も同じで、炭素の含有量が多いほど、引っ張る力に対する強さ(引張強度)が増す傾向があります。建築に使う鋼材は強度が高く粘りもあるので、比較的小さな断面の部材で荷重に耐えることができます。
鋼材は熱とさびに弱いので、耐火被覆と防錆をします
鋼材は燃えない材料ですが、熱に弱いという弱点があります。そのため鉄骨造を耐火構造にするには、柱やはりを耐火性のある材料で覆う耐火被覆が必要です。鋼材はさびやすいので、さび止めの処理も欠かせません。建築基準法の施行令も、腐食のおそれのある構造耐力上主要な部分には、さび止めなどの措置をした材料を使うことを求めています。

骨組みはトラス・ラーメン・アーチなどで造ります
鉄骨造の主要構造の形式には、部材を三角形に組むトラス、柱とはりの接合部を強く固めるラーメン、弓形に組むアーチなどがあります。高層建築の骨組みにも、工場や体育館のような単層で大空間の建物にも向いています。床は、既製の気泡コンクリート板やプレキャストコンクリート板などで造られます。
建築基準法施行令 64条1項、37条鉄骨造の建築物の構造耐力上主要な部分の材料は、炭素鋼若しくはステンレス鋼(この節において「鋼材」という。)又は鋳鉄としなければならない。(64条1項) 構造耐力上主要な部分で特に腐食、腐朽又は摩損のおそれのあるものには、腐食、腐朽若しくは摩損しにくい材料又は有効なさび止め、防腐若しくは摩損防止のための措置をした材料を使用しなければならない。(37条)
試験ではこう問われる
- 鉄骨造は自重が小さく、靱性が大きいので、大空間の建築や高層建築に使用される。「自重が大きく、靱性が小さい」は誤り
- 鉄骨構造は不燃構造だが、耐火材料による耐火被覆がなければ耐火構造にすることができない
- 鉄骨構造の主要構造の構造形式にはトラス、ラーメン、アーチ等が用いられ、高層建築の骨組に適している。工場、体育館、倉庫等の単層で大空間の建物にも利用される
- 鉄骨構造は住宅、店舗等の建物にも用いられている。「現在は用いられていない」は誤り
- 鋼は炭素量が多いものほど硬質で強度が大きい。「軟質で強度が小さい」は誤り。鉄筋も炭素含有量が多いほど引張強度が増大する傾向がある
- 鋼材は熱に弱く、さびやすいので、耐火や防錆の処理を施す必要がある
- 鋼の密度は木材やコンクリートに比べて大きい。鋼材は強度が高く粘りがあり、比較的小さな断面部材で荷重に耐えることができる
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。