敷金等の精算に関する事項しききんとうのせいさんにかんするじこう
宅地・建物の貸借で、敷金その他いかなる名義で授受されるかを問わず、契約終了時に精算することとされている金銭について、その精算の方法を説明する重要事項です(施行規則16条の4の3第11号)。つまり、出ていくときに敷金から何が差し引かれ、いくら戻るかの取決めを、借りる前に知らせる項目です。
賃貸の部屋を出るとき、敷金がほとんど戻らず、壁紙の張替え代を差し引いたと言われて驚く人は少なくありません。敷金の返し方をめぐる争いは、賃貸の相談で多いものの一つです。そこで施行規則16条の4の3第11号は、敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項を、貸借の説明事項にしました。名前が敷金でも保証金でも、終わるときに精算するお金なら対象です。精算とは、預けたお金から未払いの家賃や修理代を差し引いて、残りを返す計算のことです。

名義を問わず、終了時に精算するお金が対象です
11号は「敷金その他いかなる名義をもつて授受されるかを問わず」と書いています。名前ではなく、契約終了時に精算することとされているかどうかで対象を決めています。条文に理由は書いていませんが、地域や物件によって保証金、敷引きなど呼び方がまちまちだからと考えられます。説明する中身は、滞納した賃料との相殺や、一定範囲の原状回復費用に充てる予定があるかどうか、原状回復義務の範囲として定まっているものなどです(国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」)。契約の前に決まっている取決めを説明する事項なので、決まっていなければ、その旨を説明します。宅地の貸借でも建物の貸借でも説明し、売買では説明しません。
額と目的は7号で、精算の方法は11号で説明します
敷金の額と、何のために預けるかという授受の目的は、35条1項7号の「代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的」として説明します。11号は、そのお金が終わるときにどう精算されるかを説明する事項で、7号とは別に置かれています。預かったお金の保管方法は、どちらの号にも入っていません。契約が成立した後の37条書面には、借賃以外の金銭の額、授受の時期と目的を記載します(37条2項3号)。

宅地建物取引業法施行規則 16条の4の3第11号敷金その他いかなる名義をもつて授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項
試験ではこう問われる
- 敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時に精算することとされている金銭の精算に関する事項は、貸借の媒介で説明する
- この事項は宅地の貸借でも建物の貸借でも説明する
- 借賃以外に授受される金銭について説明するのは額と授受の目的。保管方法は説明事項ではない
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