割賦販売かっぷはんばい
宅地建物の代金の全部または一部を、目的物の引渡し後1年以上の期間にわたり、かつ2回以上に分割して受領することを条件として販売することです(35条2項)。つまり、買主が銀行から借りるのではなく売主の業者に分割で払い続ける売り方で、業者が自ら売主となり買主が業者でないときは、解除の催告(42条)と所有権留保(43条)に制限が掛かります。
家を買うとき、多くの人は銀行の住宅ローンで代金を一括して売主に払います。これに対して、売主の業者に毎月少しずつ払い続ける売り方が割賦販売で、法律は「引渡し後1年以上の期間にわたり、かつ2回以上に分割して受領する」ことを条件とする販売と定義しています。買主は家に住みながら業者に借金を返している形なので、1回支払いが遅れただけで契約を解除されたり、払い終わるまで登記をもらえなかったりすると、立場がとても弱くなります。そこで宅地建物取引業法は、業者が自ら売主となる割賦販売について、解除の前に30日以上の書面での催告を求め、引渡しまでに登記を移すよう求めています。重要事項の説明にも、現金販売価格や割賦販売価格などの事項が足されます。買主が業者なら適用されません(78条2項)。

解除の前に、30日以上の期間を定めて書面で催告します
42条1項は、賦払金の支払の義務が履行されない場合、30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内に履行されないときでなければ、契約を解除したり、まだ期限の来ていない賦払金を一括で請求したりできないと定めています。電話で催促しただけ、あるいは10日の猶予しか与えていないときは、解除も一括請求もできません。これに反する特約は無効です(42条2項)。住んでいる家を失う重さに見合った手続を求めていると読めます。

引渡しまでに登記を移し、所有権留保は原則できません
43条1項は、業者が自ら売主として割賦販売をしたときは、物件を買主に引き渡すまでに、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならないと定めています。引渡しまでに代金の10分の3を超える支払を受けていなければ、10分の3を超える支払を受けるまでに履行すれば足ります。払い終わるまで登記を渡さない所有権留保は、原則として認められません。例外は、買主が登記後の残代金のために抵当権や不動産売買の先取特権の登記を申請せず、保証人も立てる見込みがないときです。業者が残代金を確保する手段が無いときだけ、留保を許していると読めます。
引渡しと3割超の受領の後は、担保の目的で譲り受けられません
43条2項は、物件を買主に引き渡し、かつ代金の額の10分の3を超える額の支払を受けた後は、担保の目的でその物件を譲り受けてはならないと定めています。いったん登記を移した後で、残代金の担保として物件を業者名義に戻す譲渡担保を禁じたものです。1項で所有権留保を禁じても、譲渡担保という別の形で同じ結果を作れてしまうので、こちらも塞いでいます。

宅地建物取引業法 42条1項宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の割賦販売の契約について賦払金の支払の義務が履行されない場合においては、三十日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告し、その期間内にその義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払の遅滞を理由として、契約を解除し、又は支払時期の到来していない賦払金の支払を請求することができない。
試験ではこう問われる
- 割賦販売の定義は、引渡し後1年以上の期間にわたり、かつ2回以上に分割して受領(35条2項)
- 賦払金の遅滞で解除・一括請求するには、30日以上の相当の期間を定めて書面で催告。「直ちに解除できる」「口頭で催告」は誤り。反する特約は無効
- 引渡しまで(3割超を受け取っていなければ3割超を受け取るまで)に登記を移す。所有権留保は原則不可
- 引き渡し、かつ代金の3割超を受け取った後は、担保の目的で譲り受けられない
- 買主が宅建業者なら42条・43条は適用されない(78条2項)
- 割賦販売の相手方への重要事項は、現金販売価格・割賦販売価格・引渡しまでに支払う額と賦払金の額・時期・方法を追加(35条2項)
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