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監視区域かんしくいき

法令上の制限 国土利用計画法 過去問で2肢

地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域として、都道府県知事が期間を定めて指定する区域です(27条の6第1項)。区域内の取引は事前届出になり、届出が要る面積を都道府県の規則で三段階より小さくできます。

ある地域で地価が数か月のうちに何割も跳ね上がり、小さな土地が買われてすぐ転売される動きが目立ち始めたとします。注視区域の届出面積は市街化区域で2,000㎡以上なので、それより小さな土地の転売は網から漏れます。そこで知事は監視区域を指定し、都道府県の規則で届出の面積を300㎡や500㎡まで引き下げて、小さな土地の売買まで契約の前に届け出させます。バブル期の平成の初めには東京や大阪の広い範囲が指定され、いまも仕組みは残っています。

急に上がる地価に、小さな土地まで契約前の届出。
急に上がる地価に、小さな土地まで契約前の届出。

要件は急激な上昇で、指定は知事が5年以内で行います

27条の6第1項の要件は、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあることです。注視区域の「相当な程度を超えて上昇」より一段強い上がり方で、「支障を生ずるおそれ」ではなく「困難となるおそれ」まで進んだ場面です。指定するのは都道府県知事で、国土交通大臣ではありません。あらかじめ土地利用審査会と関係市町村長の意見を聴き(同条2項)、期間は公告の日から5年以内です(同条3項、12条2項)。規制区域に指定された区域は外れます。

届出面積は、都道府県の規則で三段階より小さくできます

27条の7第1項は注視区域の届出の規定を準用したうえで、面積の例外を、事後届出の三段階の面積に満たない範囲内で都道府県知事が都道府県の規則で定める面積に読み替えています。知事は監視区域を指定するときにこの規則を定めなければならず(同条2項)、地価の調査の結果によって面積を変えます(同条3項)。市街化区域で500㎡と定めれば、注視区域なら届出の要らない500㎡の土地の売買も、監視区域では契約の前に届け出ることになります。小さな土地の転売が地価をつり上げる場面をとらえるためです。

同じ500㎡でも、監視区域では規則の線を超える。
同じ500㎡でも、監視区域では規則の線を超える。

一団の土地は、当事者の一方又は双方で見ます

監視区域の事前届出でも、一団の土地の判定は当事者の一方又は双方で行います(27条の7第1項で準用する27条の4第2項1号)。市街化区域の3,000㎡の土地を、所有者が一団の土地として三人に1,000㎡ずつ分けて売る場合、売主の側で一団なので、三つの契約とも契約の前に予定対価の額や利用目的を届け出ます。買主の側だけで見る事後届出とは、ここが違います。

勧告は転売の取引にも及びますが、買取請求はできません

監視区域の勧告は、予定対価の額が著しく適正を欠くことや利用目的が計画に合わないことのほか、取得後2年以内の政令で定める期間内に、自ら利用しないまま転売しようとする取引で、周辺の地域の適正な地価の形成に著しい支障を及ぼすおそれがあるものにも及びます(27条の8第1項)。地価をつり上げる短期の転売そのものを止める趣旨です。一方、届出をして勧告を受けても、知事に土地の買取りを請求する規定はありません。買取請求(19条)は、規制区域で許可の申請をして不許可の処分を受けたときだけです。

使わずにすぐ転売する取引には、契約の中止を勧告できる。
使わずにすぐ転売する取引には、契約の中止を勧告できる。
国土利用計画法 27条の6第1項

都道府県知事は、当該都道府県の区域のうち、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによつて適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域(第十二条第一項の規定により規制区域として指定された区域を除く。)を、期間を定めて、監視区域として指定することができる。

試験ではこう問われる

  1. 監視区域内の土地は事前届出の対象。「契約を締結した後に事後届出を行う」は誤り
  2. 届出義務者は当事者の双方。届出をした日から6週間は契約を締結できない
  3. 届出面積は、事後届出の三段階の面積に満たない範囲で、都道府県の規則で定める
  4. 指定するのは都道府県知事で、国土交通大臣ではない。要件は地価の急激な上昇で、期間は5年以内
  5. 一団の土地は当事者の一方又は双方で判定するので、売主側の分割売りも対象になる
  6. 勧告に従わなくても契約は有効で、公表されることがあるにとどまる。買取請求ができるのは規制区域の不許可の場合だけ
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