事前届出じぜんとどけで
注視区域又は監視区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする当事者が、契約の前に、予定対価の額や利用目的を市町村長を経由して都道府県知事に届け出る制度です(27条の4、27条の7)。届出をした日から6週間は契約を締結できません。
注視区域や監視区域の土地を売り買いするときは、契約書に印を押す前に、売る人と買う人がそろって役所に届け出ます。届け出る中身は、いくらで売買する予定か、買った人がどう使うつもりかです。届出から6週間、知事は値段が高すぎないか、使い方が計画に合うかを審査し、問題があれば契約をやめるよう勧告します。契約してしまった後では値段を直せないので、契約の前に届け出させるのです。これが事前届出で、契約の後に買主だけが届け出る事後届出と対になります。

届け出るのは当事者の双方で、契約の前に市町村長を経由します
27条の4第1項は、土地売買等の契約を締結しようとする場合には、当事者は、あらかじめ、市町村長を経由して都道府県知事に届け出なければならないと定めています。「当事者」なので、売主も買主も届出の義務者です。事後届出が買主だけに届け出させるのは、契約後の使い方を見るためですが、事前届出は取引の値段を見るので、売る側にも届け出させます。届出事項は許可の申請と同じ15条1項の事項で、当事者、土地の所在と面積、権利の種別、予定対価の額、契約後の利用目的です。届出をしないで契約すれば6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です(47条2号)。

面積は、注視区域は三段階のまま、監視区域は規則で引き下げます
注視区域では、市街化区域2,000㎡未満、その他の都市計画区域5,000㎡未満、都市計画区域外10,000㎡未満の土地は届出が要りません(27条の4第2項1号)。注視区域の市街化区域にある1,000㎡の土地は届出不要で、都市計画区域外の13,000㎡なら届出が要ります。監視区域では、この面積を都道府県の規則でさらに小さくします(27条の7第1項)。一団の土地は当事者の一方又は双方で見ます。
届出から6週間は契約できず、勧告もその間に行います
届出をした者は、届出の日から起算して6週間を経過する日までの間、その契約を締結してはなりません(27条の4第3項)。この間に知事は、土地利用審査会の意見を聴いて、契約の締結を中止すべきことその他必要な措置を勧告することができ、期限も届出の日から6週間以内です(27条の5第1項・2項)。勧告の理由になるのは、予定対価の額が近傍類地の取引価格等を考慮して算定した相当な価額に照らして著しく適正を欠くこと、利用目的が計画に適合しないことなどで、事後届出と違って価格が入ります。勧告を受けたとき、又は勧告をしない旨の通知を受けたときは、6週間を待たずに契約できます。

国等が当事者なら不要で、勧告に買取請求は付きません
民事調停法による調停に基づく場合と、当事者の一方又は双方が国等である場合は、事前届出は要りません(27条の4第2項2号)。勧告を受けた者がそれに従わないときは公表されることがありますが(27条の5第4項、26条)、契約は有効で、知事に買取りを請求する規定もありません。買取請求は、規制区域で許可の申請をして不許可の処分を受けたときだけの仕組みです(19条)。
国土利用計画法 27条の4第1項前段注視区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結しようとする場合には、当事者は、第十五条第一項各号に掲げる事項を、国土交通省令で定めるところにより、当該土地が所在する市町村の長を経由して、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならない。
試験ではこう問われる
- 届け出るのは当事者の双方(売主と買主)。事後届出は権利取得者だけ
- 時期は契約の前。届出をした日から6週間は契約を締結できない(勧告又は勧告をしない旨の通知を受ければ締結できる)
- 監視区域では、届出対象面積を都道府県の規則で引き下げる。注視区域は事後届出と同じ三段階
- 注視区域・監視区域内の土地は事前届出の対象で、事後届出は要らない。「監視区域内の土地を買ったら事後届出」は誤り
- 届出をしないで契約を締結した者は、6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。契約そのものは有効
- 勧告は予定対価の額と利用目的の両方が対象。従わないときは公表されることがある
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。