開発許可の変更・工事の廃止・地位の承継かいはつきょかのへんこう・こうじのはいし・ちいのしょうけい
開発許可を受けた後に、計画の内容を変えるとき、工事をやめるとき、許可を受けた者が入れ替わるときの手続です。つまり、内容の変更は都道府県知事の許可、工事の廃止は届出、売買などで土地を取得した者が地位を継ぐには知事の承認が要り、相続人などの一般承継人は手続なしで地位を承継します。
山林を造成して分譲地にする開発行為は、許可が下りてから工事が終わるまでに何年もかかることがあります。その間に、区画の数を増やしたくなる、資金が続かず工事をやめる、会社が合併する、造成の途中で土地ごと別の会社に売る、といったことが起こります。都市計画法は、許可を出した都道府県知事が現場の今の姿を把握し続けられるように、出来事ごとに手続を決めています。計画の中身が変わるほど重い手続に、変わらないほど軽い手続になっています。

計画の内容を変えるときは、知事の許可を受け直します
開発許可の申請書には、開発区域の位置・区域・規模、予定建築物等の用途、設計、工事施行者などを書きます。許可を受けた後にこれらの事項を変更しようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければなりません(35条の2第1項)。知事は最初の許可と同じ基準で変更後の計画を審査するので、許可を受けた計画と違う造成が勝手に進むことを防げます。変更後の内容が、もともと開発許可の要らない開発行為に当たるときは、変更の許可も要りません。工事の着手や完了の予定年月日の変更など国土交通省令で定める軽微な変更は、許可は要らず、変更した後に遅滞なく知事に届け出れば足ります。
工事をやめたときは、許可ではなく届出です
開発許可を受けた者が開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません(38条)。やめること自体に知事の許しは要らず、やめた後に知らせる届出です。条文に理由は書いていませんが、続ける意思も資金もない者に工事の続行を強いることはできないので、知事が事実を知って開発登録簿を閉じるなどの後始末ができれば足りるためと考えられます。

相続や合併なら当然に承継し、土地を買った者は承認を受けます
開発許可を受けた者の相続人その他の一般承継人は、被承継人が有していた許可に基づく地位を承継します(44条)。一般承継人とは、相続人や合併後の会社のように、前の人の権利と義務を丸ごと引き継ぐ者のことで、手続は要りません。これに対し、開発許可を受けた者から開発区域内の土地の所有権などの工事を施行する権原を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、地位を承継することができます(45条)。売買で土地を買っただけの者は前の人と別人なので、工事を最後までやり遂げる資力や信用があるかを知事が確かめる機会を置いています。承認を受けなければ、土地を買っても開発許可を受けた者にはなれず、その許可で工事を続けることはできません。

都市計画法 45条開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権その他当該開発行為に関する工事を施行する権原を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる。
試験ではこう問われる
- 開発許可を受けた者が、申請書に記載した事項(開発区域、予定建築物等の用途、設計、工事施行者など)を変更しようとするときは、都道府県知事の許可を受ける(35条の2第1項)
- 国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、許可は不要で、遅滞なく知事に届け出る(35条の2第3項)
- 開発行為に関する工事を廃止したときは、遅滞なく知事に届け出る(38条)。「廃止するときは知事の許可を受けなければならない」は誤り
- 相続人その他の一般承継人は、被承継人が有していた許可に基づく地位を当然に承継する(44条)。知事の承認は要らない
- 開発許可を受けた者から開発区域内の土地の所有権を取得した者は、知事の承認を受けて地位を承継することができる(45条)。「承認を受けることなく承継できる」は誤り
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