非常用の照明装置ひじょうようのしょうめいそうち
火災などで停電したときにも点灯し、避難する人の足もとを照らす照明装置で、一定の特殊建築物の居室や、階数が3以上で延べ面積が500㎡をこえる建築物の居室と、そこから地上に通ずる廊下や階段などに設けなければなりません。つまり、暗闇で逃げ道を見失わないための明かりです。
夜の映画館で火事が起き、同時に停電したとします。真っ暗な中では、出口がどちらにあるかも、足もとに段差があるかも分かりません。非常用の照明装置は、ふだんの照明が消えたときに予備の電源で点灯し、床を照らして避難を助ける明かりです。ホテルの廊下や店の天井に付いている、小さな丸い照明がこれに当たります。

不特定の人や大勢の人が使う建築物の、居室と避難の通路に設けます
施行令126条の4は、設けなければならない場所を四つ挙げています。劇場、病院、ホテル、共同住宅、百貨店などの特殊建築物(建築基準法別表第一の(一)項から(四)項までの用途)の居室、階数が3以上で延べ面積が500㎡をこえる建築物の居室、採光に有効な窓などの開口部を有しない居室、延べ面積が1,000㎡をこえる建築物の居室です。これらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路にも設けます。建物に不慣れな人や大勢の人が、長い距離を歩いて逃げることになる建物が対象です。
住宅の住戸や病院の病室、学校等には設けなくてよいです
同じ条のただし書は、設けなくてよい建築物や部分を定めています。一戸建ての住宅、長屋又は共同住宅の住戸、病院の病室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室、学校等などです。住戸や病室は、使う人が決まっていて中の様子をよく知っており、部屋も小さいので、暗くても出口まで行けると考えられます。共同住宅で除かれるのは住戸の中だけで、住戸から地上に通ずる共用の廊下や階段には設けなければなりません。

床面で1ルクス以上を保ち、予備電源を備えます
構造は施行令126条の5が定めています。照明は直接照明とし、床面において1ルクス以上の照度を確保できるものでなければなりません。1ルクスはごく弱い明かりですが、真っ暗な中で床が見えるようにするための基準です。火災で温度が上がっても著しく光度が下がらない器具を使い、予備電源を設けます。停電しても点灯し続けることが、この装置の役目だからです。
建築基準法施行令 126条の4第1項法別表第一(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物の居室、階数が三以上で延べ面積が五百平方メートルを超える建築物の居室、…又は延べ面積が千平方メートルを超える建築物の居室及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。)…には、非常用の照明装置を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物又は建築物の部分については、この限りでない。
一 一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
二 病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
三 学校等
…
試験ではこう問われる
- 共同住宅の住戸には、非常用の照明装置を設けなくてよい(施行令126条の4第1項1号)。「共同住宅の住戸には設けなければならない」は誤り
- 一戸建ての住宅、長屋の住戸、病院の病室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室、学校等も設置義務から除かれる(同項1号〜3号)
- 設けるのは、一定の特殊建築物の居室、階数3以上で延べ面積500㎡超の建築物の居室、延べ面積1,000㎡超の建築物の居室などと、これらの居室から地上に通ずる廊下、階段その他の通路(同項本文)
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。