土地の売買による所有権移転登記の軽減税率とちのばいばいによるしょゆうけんいてんとうきのけいげんぜいりつ
個人又は法人が、令和11年3月31日までに土地の売買による所有権の移転の登記を受ける場合に、登録免許税の税率を本則の1,000分の20から1,000分の15に下げる特例です(租税特別措置法72条1項1号)。つまり、土地を買って名義を移す登記の税を、買う人や土地の種類を問わず軽くする定めです。
土地を2,000万円で買い、代金を払った日に、司法書士が法務局へ所有権の移転の登記を申請します。登録免許税法の本則では、売買による所有権の移転の登記の税率は不動産の価額の1,000分の20です(別表第一第1号(二)ハ)。土地については、租税特別措置法72条がこれを1,000分の15に下げていて、これを土地の売買による所有権移転登記の軽減税率と呼びます。固定資産課税台帳の価格が1,600万円の土地なら、本則では32万円のところが24万円になります。買うのが個人でも会社でも、宅地でも雑種地でも、同じ税率です。

対象は、土地の売買による所有権の移転の登記だけです
72条1項1号が挙げるのは「売買による所有権の移転の登記」で、それも土地に関する登記に限られます。贈与や交換で土地を取得したときの移転登記は売買ではないので、本則の1,000分の20のままです。相続による移転登記は、本則がもともと1,000分の4で、この特例とは関係がありません。土地と一緒に買った建物の移転登記にもこの特例は及ばず、建物は本則の1,000分の20か、自分が住む家なら住宅用家屋の軽減税率で別に計算します。
地目、面積、価額、買う人による限定はありません
条文は「個人又は法人が」「土地に関する登記で」と書くだけで、土地の地目、面積、価額についての要件を置いていません。宅地でも、雑種地でも、山林でも、売買による移転登記なら1,000分の15です。住宅用家屋の軽減税率が、個人が自分で住む床面積50㎡以上の家屋に限っているのと比べると、要件の少なさがはっきりします。会社が工場用地を買う場合も、投資のために更地を買う場合も軽減されます。

令和11年3月31日までの登記に適用される特例です
この軽減は登録免許税法そのものではなく、租税特別措置法が期限を区切って定める特例で、平成25年4月1日から令和11年3月31日までの間に受ける登記が対象です。期限は税制改正で延ばされてきましたが、延長されないまま期限が過ぎれば、本則の1,000分の20に戻ります。課税標準は実際の売買代金ではなく、固定資産課税台帳に登録された価格をもとにした不動産の価額で(登録免許税法10条1項、附則7条)、この特例が変えるのは税率だけです。
租税特別措置法 72条1項個人又は法人が、平成二十五年四月一日から令和十一年三月三十一日までの間に、土地に関する登記で次の各号に掲げるものを受ける場合には、当該各号に掲げる登記に係る登録免許税の税率は、登録免許税法第九条の規定にかかわらず、当該各号に掲げる登記の区分に応じ、当該各号に定める割合とする。一 売買による所有権の移転の登記 千分の十五 …
試験ではこう問われる
- この軽減は地目を問わない。地目が雑種地となっている土地の売買による所有権の移転登記にも適用される
- 土地の価額による限定はない。「価額が1,000万円未満のものに限る」は誤り
- 土地の面積による限定もない。「面積が1,000㎡未満のものに限る」は誤り
- 法人が受ける登記にも適用される(「個人又は法人が」)。個人に限られるのは住宅用家屋の軽減税率
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