低地ていち
河川や海の流れによって運ばれた砂礫や泥が堆積してできた平坦な土地です。つまり、川沿いや海沿いの低く平らな土地で、洪水・高潮・地震に弱く、中でも後背湿地・旧河道・三角州は地盤が軟弱です。
大きな川の下流に広がる、見渡すかぎり平らな土地を思い浮かべてください。田んぼが広がり、大都市の中心部もたいていこういう場所にあります。この土地は、川が洪水のたびに運んできた砂や泥が積もってできたもので、できてから数千年ほどしか経っていない新しい地盤です。川や海との高さの差が小さく、地盤も軟らかいので、洪水、高潮、津波、地震のどれに対しても弱いという性質があります。

低地の中でも、わずかな高さの違いで危険度が変わります
低地は真っ平らに見えても、川がつくった細かな高低があります。川沿いに土砂が積もってできた少し高い帯が自然堤防で、その背後の一段低い所が後背湿地(後背低地)です。後背湿地は洪水で運ばれた泥がたまってできた土地で、水はけが悪く、一度水につかると長く引きません。昔の川筋の跡である旧河道も周りよりわずかに低く、同じように浸水が長引きます。河口付近にできる三角州(デルタ)も、標高が低く軟弱な地盤です。低地の中では、扇状地の中の微高地や自然堤防が比較的安全で、旧河道や沿岸部の標高の低いデルタ地域が危険度の高い所になります。

軟弱な地盤は、地震の揺れを大きくします
後背湿地や旧河道の地盤は軟弱で、地震のときの揺れが大きくなりやすい土地です。軟らかい地盤が揺れを吸収して小さくしてくれるわけではありません。谷底低地のように軟弱な層が厚くたまっている所では、揺れはかえって大きくなります。川が運んだ土砂の地盤は重い構造物を支える力も弱いので、大きな建物では基礎の杭を良好な地盤まで届かせます。
埋立地は海面より高く、干拓地は海面より低い土地です
海や湖を陸地にする方法は二つあります。埋立地は水面に土砂を投入して陸地にした土地で、一般に海面より高くなっています。干拓地は水面や低湿地を堤防で締め切り、排水して陸地にした土地で、一般に海や湖の水面より低いため、洪水のときに水がたまりやすくなります。水害に対しては、高さのある埋立地のほうが干拓地より安全です。ただし埋立地は地震のときに液状化が起こりやすいので、その備えが別に要ります。

国土地理院「ベクトルタイル『地形分類』」の解説(自然地形・後背低地・湿地)主に氾濫平野の中にあり、周囲よりわずかに低い土地。洪水による砂や礫の堆積がほとんどなく、氾濫水に含まれる泥が堆積してできる。…河川の氾濫によって周囲よりも長期間浸水し、水はけが悪い。地盤が軟弱で、地震の際の揺れが大きくなりやすい。液状化の発生傾向がやや強い。沿岸部では高潮に注意。
試験ではこう問われる
- 低地は、一般に洪水や地震などに対して弱く、防災的見地からは住宅地として好ましくない。「強く、好ましい」は誤り
- 大都市の大部分は低地に立地し、この数千年の間に形成された、かつての湿地や旧河道が多く、地震災害に対して脆弱で、洪水・高潮・津波の危険度も高い
- 低地の中で比較的危険度の低い所は、扇状地の中の微高地、自然堤防、廃川敷となった旧天井川など。危険度の高い所は、沿岸部の標高の低いデルタ地域、旧河道など
- 川沿いの低地に堆積している川が運んだ土砂は軟弱で、重い構造物を支持できない
- 谷底低地に軟弱層が厚く堆積している所では、震動は大きくなる。「地震動が凝縮されて震動が小さくなる」は誤り
- 埋立地は一般に海面に対して比高を持ち、干拓地に比べて水害に対して安全。平均海面に対し4〜5メートルの比高があり護岸が強固であれば、住宅地としても利用できる
- 三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤
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