記載金額きさいきんがく
契約金額など、その文書により証されるべき事項に係る金額として、文書に記載された金額です(印紙税法別表第一 課税物件表の適用に関する通則4)。つまり、契約書に書かれた売買代金や請負代金のことで、この金額の大きさで貼る印紙の額が決まります。
土地の売買契約書に貼る印紙は、代金が5,000万円か1億円かで額が変わります。印紙税法は、契約書に書かれた契約金額を「記載金額」と呼び、その金額が大きいほど高い印紙税を課す階段状の税額表を置いています。見るのは実際に動いたお金ではなく、文書に書かれた金額です。金額が書かれていない契約書は、一通につき200円です。そこで、交換や贈与のように代金のない契約や、一つの契約書に金額がいくつも書かれている場合に、どの金額を記載金額とするかが問題になります。

交換は高い方の価額で、贈与は記載金額がありません
土地の交換契約書は不動産の譲渡に関する契約書で、交換する双方の土地の価額が書かれているときは、いずれか高い方の金額が記載金額です。交換差金だけが書かれているときは、その差金が記載金額になります。贈与契約書も不動産の譲渡に関する契約書ですが、贈与には譲渡の対価がないので、土地の時価が書かれていても契約金額はないものとして扱い、印紙税は200円です。時価は土地の評価額であって、譲渡の対価ではないからです。土地の賃貸借契約書では、権利金のように後日返還されることが予定されていない金額だけが記載金額で、毎月の賃料や返還される敷金・保証金は入りません。

同じ号の金額は合計し、違う号は所属する号の金額で見ます
一つの文書に記載金額が二つ以上あり、それが同じ号の文書に係るものであれば、合計額が記載金額です(通則4イ)。土地6,000万円と建物3,000万円の譲渡を一つの契約書に書けば、どちらも不動産の譲渡なので9,000万円になります。土地の譲渡と建物の建築請負を一つの契約書に書いた場合は、号が違います。原則は不動産の譲渡に関する契約書として扱いますが、金額を区分して記載していて請負の金額の方が大きいときは、請負に関する契約書になります(通則3ロ)。そして、所属する号の金額だけが記載金額です(通則4ロ)。土地5,000万円と請負6,000万円なら、請負に関する契約書で記載金額は6,000万円です。
増額の変更契約書は増加額で、減額は記載金額なしです
契約金額を変更する契約書は、変更前の金額を記載した契約書が作成されていることが明らかで、変更金額が分かる場合、増額か減額かで扱いが分かれます(通則4ニ)。増額なら増加する金額が記載金額で、減額なら記載金額はないものとします。1億円の代金を9,000万円に減らす変更契約書は、記載金額のない契約書として200円です。減額の合意にまで高い印紙を求めるのは酷だからと考えられます。消費税額が区分して記載されている契約書や領収書では、その消費税額は記載金額に含めません。請負代金1,100万円のうち消費税額100万円と書いてあれば、記載金額は1,000万円です。
印紙税法 別表第一 課税物件表の適用に関する通則4ニ契約金額等の変更の事実を証すべき文書について、当該文書に係る契約についての変更前の契約金額等の記載のある文書が作成されていることが明らかであり、かつ、変更の事実を証すべき文書により変更金額(変更前の契約金額等と変更後の契約金額等の差額に相当する金額をいう。以下同じ。)が記載されている場合(変更前の契約金額等と変更後の契約金額等が記載されていることにより変更金額を明らかにすることができる場合を含む。)には、当該変更金額が変更前の契約金額等を増加させるものであるときは、当該変更金額を当該文書の記載金額とし、当該変更金額が変更前の契約金額等を減少させるものであるときは、当該文書の記載金額の記載はないものとする。
試験ではこう問われる
- 交換契約書に双方の価額が書かれていれば、高い方が記載金額。3,000万円と3,500万円の交換なら3,500万円
- 贈与契約書は、時価が書かれていても記載金額のない契約書(印紙税200円)。「記載金額は時価の額」は誤り
- 土地の譲渡6,000万円と建物の譲渡3,000万円を一つの契約書に区分して書いても、同じ号なので記載金額は合計の9,000万円
- 土地の譲渡5,000万円と建築請負6,000万円を区分して書いた契約書は、金額の大きい請負に関する契約書となり、記載金額は6,000万円。合計の1億1,000万円ではない
- 減額の変更契約書は記載金額がないものとする。1億円を9,000万円に減額する変更契約書の記載金額を「1,000万円」とするのは誤り
- 土地の賃貸借契約書の記載金額は、権利金など後日返還されない金額。月額賃料や契約期間分の賃料の合計は含めない
- 消費税額が区分して記載されていれば記載金額に含めない。請負代金1,100万円(うち消費税額100万円)なら1,000万円
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。