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特定価格とくていかかく

税・その他 不動産鑑定評価基準 過去問で1肢

市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより、正常価格と同一の市場概念の下で形成されるであろう市場価値と乖離することとなる場合の価格です。つまり、法律上の手続きなどのために、ふつうの市場の条件を外して求める価格です。

経営が行き詰まった会社が民事再生の手続きに入り、持っている工場を早く売って返済に充てることになったとします。ふつうなら時間をかけて買主を探しますが、この場面では早期の売却が前提です。相当の期間市場に公開するという正常価格の条件を満たせないので、求める価格は正常価格とかけ離れます。法令等の要請でこうした前提を置いて求めるのが特定価格です。

民事再生で早く売る前提の価格は、特定価格。
民事再生で早く売る前提の価格は、特定価格。

法令等による社会的要請が背景にあります

特定価格の定義には、二つの要素があります。法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的であることと、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことです。当事者の都合で条件を外すのではなく、法律の手続きや投資家に示すという目的が、その前提での価格を必要としています。この二つの要素がそろい、求める価格が正常価格とかけ離れることとなる場合の価格です。対象は市場性を有する不動産で、この点は正常価格や限定価格と同じです。

基準は、三つの場合を例に挙げています

一つ目は、証券化対象不動産に係る鑑定評価目的の下で、投資家に示すための投資採算価値を表す価格を求める場合です。二つ目は、民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場合です。三つ目は、会社更生法又は民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、事業の継続を前提とした価格を求める場合です。基準は、評価目的に応じ、特定価格として求めなければならない場合があることに留意するよう求めています。

投資家に示す投資採算価値を表す価格も、特定価格の例。
投資家に示す投資採算価値を表す価格も、特定価格の例。

限定価格とは、正常価格から離れる理由が違います

限定価格は、隣接不動産の併合や不動産の分割のように、取引の当事者の関係から市場が相対的に限定される場合の価格です。特定価格は、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的から、正常価格の前提となる諸条件を満たさなくなる場合の価格です。隣の土地や底地を買う場面なら限定価格、民事再生や証券化の場面なら特定価格と整理できます。

不動産鑑定評価基準 総論第5章第3節Ⅰ3

特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することとなる場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう。

試験ではこう問われる

  1. 特定価格は、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより市場価値と乖離することとなる場合の価格
  2. 例は、証券化対象不動産の投資採算価値を表す価格、民事再生法に基づく早期売却を前提とした価格、会社更生法又は民事再生法に基づく事業の継続を前提とした価格
  3. 特定価格の定義と民事再生法の早期売却の例を「限定価格」として述べるのは誤り
  4. 特定価格も市場性を有する不動産についての価格。一般的に市場性を有しない不動産について求めるのは特殊価格
税・その他を肢別で解く

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